失敗しない生前贈与

1.110万円の基礎控除を利用した贈与

1年間の贈与金額が110万円以内であれば、贈与税は発生しません。ただし以下の注意点があります。
・贈与のたび、贈与契約書を作成すること
・現金での贈与は避け、振り込みを利用すること
・振り込まれた通帳及び印鑑は、贈与を受けた方が管理すること

2.夫婦間の贈与の特例(2,000万円まで)

夫または妻へ居住用不動産等を贈与する場合、2,000万円までが非課税となります。
・自分たちが居住するための土地・家屋、またはこれらを取得するための現預金であること
・婚姻期間が20年以上であること。

3.住宅取得等資金贈与の非課税特例(最大1,000万円)※2023年12月まで

 次の表のとおり、直系尊属(父母や祖父母など)から自らの居住する住宅の取得資金や増改築資金の贈与を受けた場合、最大で1,000万円が非課税となります。

イ 

贈与の時期省エネ等住宅左記以外の住宅
令和4年1月1日から令和5年12月31日まで1,000万円500万円


4.教育資金の一括贈与の非課税特例(1,500万円まで) ※2026年3月まで

 直系尊属(父母や祖父母など)から教育資金(入学金、学費、塾の月謝など)を受けた場合、1,500万円までが非課税となります。
・受贈者は30歳未満の直系卑属(子・孫・ひ孫など)
・金融機関を通じて申告書を提出 

5.結婚・子育て資金の一括贈与の非課税特例(1,000万円まで) ※2025年3月まで

 直系尊属(父母や祖父母など)から結婚や子育て資金(婚礼費用、新居への引越費用、出産に要する費用、医療費など)を受けた場合、1,000万円までが非課税となります。

6.相続時精算課税制度の非課税特例(2,500万円まで)

 60歳以上の父母または祖父母から18歳以上の子または孫への贈与が2,500万円まで非課税になります。
・贈与財産の種類、金額、贈与回数に制限はない
・受贈者(子また孫)が贈与者(父母または祖父母)ごとにこの特例を選択できるが、いったん選択すると暦年課税(110万円の基礎控除)は使えない
・令和6年1月以降の贈与については相続時精算課税制度においても年分110万円の基礎控除が新たに導入
・完全な非課税ではなく、将来贈与者が亡くなった場合には、その贈与財産を贈与者に持ち戻して相続税として課税される

これらの特例には細かな要件がありますので、適用の際には必ず事前に税理士に相談してください。


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